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【板橋区議会】ノーベル賞級の研究が生まれた場所が、産業ミュージアムへと進化する
板橋の歴史が未来をひらく!加賀エリアに生まれる「創造と知の拠点」計画
板橋区の未来を形作る重要なプロジェクトが、加賀エリアで着々と進んでいることをご存知ですか。
それは、「(仮称)産業ミュージアム」の整備計画です。これは、単なる古い建物の保存ではなく、私たちの暮らしを豊かにし、子どもたちの未来を育む、新しい知の拠点となる取り組みです。
11月5日の板橋区議会の区民環境委員会には、現在の進捗の報告がありました。本日はこの産業ミュージアムの計画についてお伝えしたいと思います。
歴史的な価値を未来につなぐ、その背景とは
このミュージアムは、板橋区南東部の加賀1丁目(現・加賀公園エリア)に位置する「旧理化学研究所板橋分所」の歴史的建造物を活用して整備されます。
この地は、江戸時代には加賀藩の下屋敷が置かれ、明治時代以降は近代的な火薬製造所が設置されたことを契機に、日本の工業化の土台を築きました。そして戦後、この場所には理化学研究所(理研)が入居し、日本の先進的な科学技術研究の拠点となったのです。
板橋火薬製造所時代に弾薬の性能を実射し検査した弾道管
また注目すべきは、仁科芳雄博士や、後にノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士といった世界的な研究者たちが、宇宙線研究や基礎物理学の最先端の研究を約70年間も継続的に行ってきた歴史があることです。湯川博士が、現在のスーパーコンピューター「富岳」につながる計算科学の基礎を築いた場所でもあります。
この貴重な歴史的価値が認められ、2017年(平成29年)には「陸軍板橋火薬製造所跡」として国の史跡に指定されています。区では、この歴史的な建造物である「爆薬理学試験室」と「物理試験室」の保存と活用を両立させ、「板橋の産業の魅力を高め、次世代の産業を担う人材や理系人材を育む拠点」として整備することを目指しています。
暮らしと子育てに直結!ミュージアムの具体像
このミュージアムは、単に歴史的な資料を並べるだけではありません。コンセプトは、「加賀の歴史が紡ぐ、創造と知の起点」。これは、新しい発想と学びが次々に生まれる場所という意味です。
特に加賀地域は、板橋区の中でもファミリー層が多く集積しているエリアです。このミュージアムは、子育て世代の皆さんの暮らしや、お子様の教育に直結するような「ソフト事業」を6つのテーマ(ものづくり、まなび、実証実験、ヒストリー、あそび、コミュニティ)で展開する計画です。
具体的な活用イメージをご紹介します。
「まなび」と「あそび」(子どもたちの成長をサポート):
施設が公園内に立地する特性を活かし、乳幼児連れの親子などが身近に知育体験ができるキッズスペースを整備予定。子どもたちの好奇心を呼び起こすような、物理や科学の不思議を体験できるワークショップや実験を行い、高い探求心を持つ小中学生には、企業や大学と連携したハイレベルな理系知識・探求の機会となることを願っています。
「ものづくり」と「実証実験」(区の産業に触れる):
区内の光学産業や印刷業など、高い技術力を持つ企業の魅力に触れる企画展示やワークショップを展開とのこと。子どもたちが3Dプリンターなどのデジタル機器や画材を自由に使える**クリエイティブ・ラーニングスペースが設けられ、企業や大学が新しい技術や製品を試す実証実験の拠点として、来訪者も楽しみながら参加できるモニタリングなどを行います。最新機器に触れらるのは子どもの知的好奇心を刺激すると思います。
「コミュニティ」(世代や立場を超えた交流):
歴史的に「ひととひとがつながり、意見やアイデアが交わされることで価値が創造されてきた」文化を継承し、地域住民、企業、研究者が連携して交流できるコミュニティラウンジやワークショップを開催する予定です。コンテンツをどう提供してコミュニティを形成できるか、知恵の絞りどころですが区の健闘を祈りです。
区民の皆さんと進める未来への挑戦です
私は、この産業ミュージアムが、板橋区が目指す「新たな発見に出会える、ブランド創造都市」への大切なステップになると思っています。
令和7年10月に実施された史跡公園の一般公開イベントでは、雨天にも関わらず、前回(令和6年度)の1.8倍にあたる1300名を超える方々が訪れました。参加者からは「板橋区にこうした歴史的ストーリーがあったことを初めて知った」という声や、「次世代の育成という趣旨に賛成する」といった期待の声が寄せられています。
この大きな反響は、区民の皆様が、この地の歴史や、未来につながる学びと創造に本当に大きな関心を持っていることの証だと思います。
この施設は、固定的な展示ではなく、常に研究や実験が行われ、新しいアイデアを柔軟に反映させることで、進化・発展を続ける可変的な展示を目指しています。つまり、私たち区民一人ひとりの声やアイデアが、今後のミュージアムを形作り、成長させていく原動力となるのです。
令和11年度のグランドオープンに向けてのこれから
産業ミュージアムは、令和11年度(2029年度)の史跡公園グランドオープンに合わせて整備工事が進められる予定です。今後は、建物内部のデザイン検討、基本設計、実施設計などが計画的に行われていくと報告がありました。
区民の皆様のアイデアやご意見は、このミュージアムを地域から愛される施設にしていくために不可欠です。今後、パブリックコメントの機会や、区が主催するイベント等を通じて、積極的にご参加いただきたいと思います。
かつて世界的な科学技術の中心地だった加賀の歴史を背景に、板橋の新しい未来を一緒に創造していきましょう。「ひと」と「ひと」のつながりから生まれる新たな価値に、ぜひご期待ください。
なお、産業ミュージアム構想の素案を板橋区HPで公開しており、区民など広く皆さんからの意見を募集するパブリックコメントを実施しています。ご意見やご要望がある方はぜひお声を聞かせてください。
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/bunka/bunkazi/1021974/1057618/1060224.html
ちなみにですが、先日視察を行った金沢未来のまち創造館の運営がソフト面でとても参考になると思い、下記に関連記事として改めて記しておきます。
<関連記事>
【板橋区議会・自民党】金沢未来のまち創造館からの示唆を板橋区の公共施設整備へ(2025年11月13日)
https://www.tanaka-yasunori.jp/new/20251113.html
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Think globally Act locally
〜小さなことの積み重ねが必ず大きな成果に繋がる
板橋区議会議員 田中やすのり
https://www.tanaka-yasunori.jp/index.html
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【子育て中のママパパへ】
「あなたの子育てを応援します!」
https://www.youtube.com/watch?v=ePeN_wTQ7XI&t=20s
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【メッセージ動画】
「私は、走り続けます!」
https://www.youtube.com/watch?v=hdBzWEjM7Ps
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板橋区議会議員田中やすのり_記事:【板橋区議会】ノーベル賞級の研究が生まれた場所が、産業ミュージアムへと進化する20251124
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