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【板橋区議会・一問一答】外国人と国民健康保険ついて、今考えるべきこと

2025年11月17日
 
 

外国人の方々への日本の制度への懸念や運営上の課題が様々に指摘をされております。本日は外国人の方々の「国民健康保険」の利用について、現在よく指摘されている課題や区としての取り組みについてお伝えをしたいと思います。
板橋区でも外国人住民の方が増えており、誰もが安心して暮らせる地域づくりのために、この問題や課題に真摯に向き合っていく必要が出てきております。
 

制度の現状とその背景

日本の国民健康保険制度は、日本に住むすべての人が何らかの医療保険に加入する国民皆保険の理念のもとに運営されています。外国人の方も、3ヶ月以上の在留資格があれば国保に加入できる仕組みになっています。例外的に在留期間が3ヶ月以下であっても、国保に加入できる場合があるとのことです。
この制度は、日本で生活する外国人の方々の健康を守り、安心して暮らしていただくために大切なものです。
実際、多くの外国人の方々は制度を誠実に利用し、保険料を納めながら、地域社会の一員として生活されているものと思います。
 

現在、指摘がされている課題

ところが、一部で制度の不適切な利用が指摘されており、これが制度全体への信頼を損ねる要因となっています。
制度の悪用に関する懸念として、短期滞在で高額医療を受ける目的で来日し、すぐに帰国するようなケースが問題視されてきました。また、入国して間もない方は前年度の所得がないため、保険料が実際の負担能力に見合わない低額になってしまうという構造的な問題を指摘する声もあります。
保険料の納付率についても、外国人加入者の納付率が全体と比較して低い水準にあることが指摘されています。ただし、外国人加入者には若年層が多く、医療費全体に占める割合は加入者数の割合よりも低いというデータもあり、一概に「優遇されている」とは言えない面もあります。このデータについては、先日11/14の厚労省のヒアリングの時にも確認をさせてもらいました。
制度理解の不足も大きな課題です。母国の制度との違いから、日本の国民皆保険制度や強制加入の義務について理解が不足している場合があります。加入手続きが遅れると、資格発生日まで遡って保険料が一括請求されることになり、外国人の方にとって大きな負担となってしまいます。この点については前納制度などの適用が有効な対策となると考えています。
 

国と地方自治体の取り組み

これらの課題に対して、国は制度運用の適正化を進めてきています。2020年4月からは、日本に住んでいない国外の扶養家族は原則として健康保険の被扶養者になれないよう制度が見直されました。国民健康保険の被扶養者として認定されるためには、原則として「日本国内に住所を有する者」であることが要件となりました。これにより、国外に住む家族への不適切な医療費給付を防ぎ、制度の適正化を図れるようになったと思われます。
また、最も大きな強化策として期待されているのが、保険料の滞納情報が在留資格の更新・変更審査に反映される仕組みの導入です。国民健康保険料を滞納し、納付を求められても応じない外国人に対して、原則として在留資格の変更や更新を認めない制度です。これを実現するため、国保システムを改修し、市区町村が保有する滞納者の情報が、出入国在留管理庁の在留資格審査に自動的、または円滑に通知される仕組みが構築されます。この仕組みは、2027年(再来年)6月からの運用開始を目指し、準備が進められています。
この大きな仕組みの構築前に、すでに「協力要請制度」が活用されており、板橋区においてもその活用が始まっています。協力要請制度は、市区町村(自治体)が、長期間にわたり悪質な国民健康保険料の滞納を続ける外国人を特定し、その情報を地方出入国在留管理官署(入管)へ提供する仕組みです。自治体は、国保料の滞納者を抽出し、入管への情報提供を行い、その情報をもとに、当該外国人が在留期間の更新や変更申請を行った際、入管は申請者に対し、自治体発行の滞納証明書の提出を求めるといった運用がなされています。
その他に、板橋区としても、外国人住民の方々への制度説明の充実や、多言語による情報提供の強化に取り組んでいます。
 

外国人の国民健康保険の利用の適正化に関して、板橋区議会で質疑をしました!

私からはまず外国人と日本人の国民健康保険の納付状況の確認を行い、外国人の方が未納が多いことの事実をあぶり出しました。
そして、納付を適切に行ってもらえるように、協力要請制度の活用状況についても現状を尋ね、今後の活用についても質疑をしました。
さらに、前納制度の活用について、今後の考え方を聞きました。質疑の内容は下記の通りです。
 

質問(田中やすのり):国民健康保険の納付実績について、外国人と日本人の比較について聞きます。まずは、現状確認します。
答弁(健康生きがい部長):本年9月末日時点の納付実績につきましては、納付義務者の世帯主が日本人の場合、加入世帯に占める滞納世帯の割合は約23%、外国人の場合は約47%でございます。これまでの分析では、世帯主が日本人の場合の加入世帯に占める滞納世帯の割合がおよそ20から23%であるのに対しまして、外国人の場合は35から47%でありますので、時点により差はありますけれども、日本人の世帯主に対し、外国人の世帯主の滞納率は高い傾向にあるところでございます。

 

 

質問(田中やすのり):規制をする、しっかりルールを守ってくださいという視点から質問します。まず、国民健康保険(国保)ですけれども、国保を使い始める前に前納制度の取組が始まっています。板橋区では、導入の検討を図りましたか。国保について、入管と協力をして要請し合う制度が始まっております。区の滞納があると、板橋区としては情報提供を入管に行って、入管のほうでリスト化をしておいて、そして外国人の方が在留の申請を出したときに、未納があると、ちゃんと証明書を持ってきてくださいとなります。証明書がなければ審査が下りないという協力要請制度が始まっておりましす。
国保については、この仕組みをどういうふうに運用しているのか、実施状況について確認します。
答弁(健康生きがい部長):初めに、東京出入国在留管理局との国民健康保険料の協力要請制度につきましては、8月から連携を開始いたしまして、本年12月に在留期限を迎える外国人被保険者の長期滞納者16名の情報を連携いたしました。在留期限の更新申請の際に国民健康保険料の納付証明を求めることで、滞納保険料の納付を促すものでありますけれども、現在2名との納付交渉が実現しておりまして、残りの14名も今後の交渉に進展すると期待をしているところでございます。
また、外国人の国民健康保険料前納制度導入につきましては、出入国在留管理局の仕組みの効果ですとか、他自治体の動向を見極めつつ、この制度の必要性を適切に判断したいと考えているところでございます。

 

外国人の国民健康保険の納付状況や協力要請制度について質疑を行う

 

10月22日の決算調査特別委員会の総括質問にて

 
誰もが安心して医療を受けられる制度を守りながら、同時に制度の公平性と持続可能性を確保していくことが重要です。外国人住民の方々も地域社会の大切な一員であり、互いに理解し合い、支え合える関係を築いていくことが、多文化共生の板橋区を実現する第一歩だと考えています。
引き続き、公平で持続可能な制度運営に取り組んでまいります。

<関連記事>

【板橋区議会・自民党】国民健康保険制度のこれからについて、厚労省に要望をする(2025年11月15日)
https://www.tanaka-yasunori.jp/new/20251115.html
 
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板橋区議会議員 田中やすのり
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板橋区議会議員田中やすのり_記事:【板橋区議会・一問一答】外国人と国民健康保険ついて、今考えるべきこと20251117

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【田中やすのりプロフィール】赤塚二中、成増小、成増すみれ幼稚園を経て、早稲田大学商学部を卒業。大手広告会社勤務を経て、2007年に初当選し、連続4期当選を果たし……

【何故、区議会議員に?】広告会社の業務を通じて、世の中のためになる公共的な広告コミュニケーションへの欲求を抱くようになった。より直接的に世の中を変えることができる政治……

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