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【一問一答in板橋区議会】令和6年度決算を振り返る、財政の課題と未来への展望について

2025年11月10日
 

 
板橋区の財政状況って、実際どうなっているのか。なかなか見えづらいことだと思います。
ですが、区民の生活や日常を支える公共施設、子育て支援、福祉サービス、防災対策など。これらすべては区の財政によって支えられています。
令和6年度の決算データが公表され、決算調査特別委員会での認定を受けましたので、本日は決算を振り返り、板橋区の財政状況について改めてお伝えをします。そして、決算調査特別委員会で行われた総括質問にて、財政の見通しと財政調整基金の積立てについて質疑をしましたので、この点も報告をしたいと思っています。
 

令和6年度決算を数字で確認をします

令和6年度の一般会計における収支は次の通りとなります。
歳入総額:2.8227,038794
歳出総額:2,6993,6149,468
収支差額:1233,4231,326円(いわゆる黒字)
123億円の黒字であり、健全な財政運営に見えます。実際に、経常収支比率や公債費比率も適正な範囲内にありますし、区が公表している健全化判断比率においても、早期健全化基準や財政再生基準には該当していません。
しかし留意しておかなくてはならいのは、歳入の構造です。令和6年度において、特別区税や特別区交付金といった一般財源の比率は61.2%です。この数字が意味するところは、残りの約4割は国や東京都からの補助金・交付金など、使途が限定された特定財源で構成されているということです。すべて自由に使えるわけはなく、区が独自の政策判断で自由に使える財源に制約があることを理解しておく必要があります。なお、監査では「一般財源の多くを特別区税と特別区交付金が占めており、その動向については経済情勢に大きく左右される要素が強い。しかしながら、多様化する区民ニーズに迅速に対応するためには、使途が特定されず各種事業に充当することができる一般財源の確保に引き続き努められたい」との指摘もあり、重く受け止めなければなりません。
歳出も見てみると、福祉費(障がい者自立支援・生活保護・高齢者医療や介護への繰り出し金など)が大きな割合を占めています。さらに、老朽化した公共インフラの更新費用、防災・減災対策の強化など、対応が必要な行政課題も同時に存在をしております。
 

板橋区が直面する課題を考える

令和6年度決算を分析すると、板橋区の財政にも不安要素がないわけでないという現状が見えてきます。
現在の特別区税や特別区交付金は比較的安定していますが、将来を見据えると不安材料があります。例えば、少子高齢化の進行による生産年齢人口の減少、国による地方偏在税制による税収への影響、経済状況の変化による影響などの歳入面についての不安です。
また、自主財源も限られ、国や都の方針に左右されやすい財政構造とも言え、区民ニーズへの迅速な対応を遅らせる要因となるかもしれません。
そして、先ほども触れましたが、歳出は増大傾向が続いています。高齢化などに伴う社会保障費の継続的な増加、公共施設・インフラの更新経費、防災・減災対策への新たな支出などが予想されます。これらの支出は、今後も削減が難しい義務的な性格を持っています。限られた財源の中で、どの分野に優先的に予算を配分するかといった選択と集中がこれからますます大切になってきます。
 

財政を持続可能にするための板橋区の取り組み

こうした課題に対し、板橋区では万が一に備えた財政調整基金、計画的な公共施設や学校の整備のための基金の積立てを計画的に進めています。これらの基金計画が順調に進んでいくことが何よりも大切だと私は考えています。
こうした中、私はいくつかの行政の視点を意識して、施策が進むように議会からこれからも質問をしていくつもりです。

行政サービスの効率化とデジタル化

ICTやデジタル技術を活用した行政手続きの簡素化、オンラインサービスの拡充により、まだまだ業務の生産性向上とコスト削減を図ることができます。区民の利便性向上と行政コストの適正化を同時に実現する取り組みを引き続き求めていきます。

公共施設の再編・複合化

板橋区役所周辺の再整備をはじめ、複数の機能を集約した拠点としての整備が求められています。また、高騰を続ける建築費に対応できる施設整備の入札制度の導入なども検討を始める時期に来ています。
さらに地域に利用率が低下している施設があれば、それを見直し、地域で複数の機能を集約して再整備することも考えていかなければなりません。さらに、施設の維持管理費を抑制しながら、現場の業務k負担を軽減する方策についても検討が必要です。

民間の力を最大限に活用する

全国的にはPPP(公民連携)やPFI(民間資金活用)などの手法を活用し、民間企業や住民団体との協働によるサービス提供を推進が進んでいます。公民連携を推進する組織を充実させ、新しい技術などを行政に組み込める体制の整備づくりを加速させたいと思っています。
 

持続可能な板橋の未来のために、板橋区議会でも質疑をしました

令和6年度決算は、ある程度の健全性を示していると考えられますが、細かく見れば将来への警鐘がないとも言えません。今後も持続可能な財政を続けていくためにも、板橋区議会の場においても質疑を行いました。
また年間を通じて見たときの財政調整基金の金額について確認をして、今後の財政調整基金の積立計画についても、これからも堅実に行っていく必要があることを指摘しています。本日はこうした質疑の報告を最後にしたいと思います。今後も板橋区の財政状況や区政の動きについて、折に触れてお伝えをしていきますね。
 

 
<令和6年度決算調査特別委員会の総括質問(2025.10.22)での質疑>

Q(田中やすのり):決算を踏まえての今後の財政見通しと財政調整基金の積み立て計画について
決算の内容についてお聞きしますけれども、今後の見通しと、基金の積立て計画がちゃんと進むかという点から質問します。
この表は区のほうから提供していただいた資料ですが、当初予算で、令和6年でいえば25億円基金を繰り入れる計画をつくって、その後、補正予算を組んだりすると、どうしても基金を投入しないと補正を組めない場合があるので、少し基金投入が入ります。そうすると、基金の計画としては、結局は49億円、令和6年に繰り入れて突っ込むことになりました。しかし、歳計剰余金が書いてありますが、68億余っています。そこから積み立てしたり、最終補正などでも積み立てできますから約100億円、今回財調の基金は積み立てるということができました。
ほかの年度の傾向を見ても、同じような傾向がここ数年間はどうにか続いていると思っています。基金の繰入れより積立てのほうが多い年度が毎年ほぼ続いてきているということですが、この令和6年度の決算を経て、今後の財政の見通しをどう考えるか。そして財政調整基金を標準財政規模の2割、3割を目安で積み立てていますけれども、ここは安定していけそうか、積立てが行えそうかということについて、まずは確認をさせてください。
A(政策経営部長):堅調に推移していくことが期待されるが、不確定要素も見受けられる。
安定した財政運営に資するため、基金は財政状況を総体的に見据えながら積み立てていく。
令和6年度決算から見込まれます今後の財政見通しでございますけれども、堅調に推移していくことが期待されていますが、一方で、増加傾向が続きます扶助費による財政負担、物価高や景気変動による下ぶれリスク、ふるさと納税などの税制改正の影響など、不安要素が多く見受けられる状況だという認識でございます。
安定した財政運営に資するため、財政調整基金は板橋区財政運営指針にのっとり積み立てるほか、義務教育整備基金、公共施設等整備基金も含めて、財政状況を総体的に見据えながら積立てを行っていく考えでございます。

 

板橋区議会議員田中やすのり_20251022_総括質問

10/22の総括質問では冒頭に財政の見通しについての確認を行った

 
板橋区議会議員田中やすのり_20251022_総括質問_2

財政調整基金についても堅実で計画的な積み立ての必要性を伝える

 
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Think globally Act locally
〜小さなことの積み重ねが必ず大きな成果に繋がる
板橋区議会議員 田中やすのり
https://www.tanaka-yasunori.jp/index.html
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【子育て中のママパパへ】
「あなたの子育てを応援します!」
https://www.youtube.com/watch?v=ePeN_wTQ7XI&t=20s
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「私は、走り続けます!」
https://www.youtube.com/watch?v=hdBzWEjM7Ps
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板橋区議会議員田中やすのり_記事:【一問一答in板橋区議会】令和6年度決算を振り返る、財政の課題と未来への展望について20251110

 田中やすのりについて

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【田中やすのりプロフィール】赤塚二中、成増小、成増すみれ幼稚園を経て、早稲田大学商学部を卒業。大手広告会社勤務を経て、2007年に初当選し、連続4期当選を果たし……

【何故、区議会議員に?】広告会社の業務を通じて、世の中のためになる公共的な広告コミュニケーションへの欲求を抱くようになった。より直接的に世の中を変えることができる政治……

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