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【板橋区議会】地方創生の成功モデルといわれる「オガールプロジェクト」を企画総務委員会で視察

2025年7月29日
 

 
紫波町は人口約32,000万人程度の小さな町ですが、大きな挑戦をしました。「町に本当に必要なものは何か?どうすれば地域の経済を自分たちで回せるか?」を真剣に考え模索を続け、国や行政からの補助金に頼らず、民間の力をフル活用して町の再生を実現しました。本日は7/26に板橋区議会の企画総務委員会として視察を行った全国から注目を集めるオガールプロジェクトについて報告をいたします。
 

板橋区議会議員田中やすのり20250729

オガールプロジェクトにて説明を受ける

 

オガールプロジェクトの概要

•場所:岩手県紫波郡紫波町 JR紫波中央駅前の未利用地(約10ha)
•開始時期:2007年ごろから計画開始
•核となる手法:公民連携(PPP:Public Private Partnership)
•理念:「まちが育つ=オガール」→地元の方言で「成長する」という意味
従来型の補助金頼みの開発ではなく、「税金に頼らないまちづくり」「経済の自立」を目指しました。なお、補助金に頼るとそれが足かせとなり、自由な活動が妨げらえるとのことで、自立の大切を実感。
 

赤字だった駅前開発がプロジェクトの背景にある

もともと紫波中央駅の駅前には、町が保有する約4.3ヘクタールの遊休地がありました。第三セクターによる開発が試みられるも、破綻し、土地だけが残される事態に陥っていました。
町は2007年、こうした失敗を繰り返さないために、「町が主導して、民間の知恵と資金を取り入れた、持続可能な開発を」という新たなビジョンを掲げ、プロジェクトが始まりました。

 

オガールプロジェクトの具体的な取り組み

① オガールプラザ(2012年完成)
•紫波町図書館(年間利用者20万人超)
•子育て支援センター
•レストラン・カフェ・地元直売所などの商業施設
•公民連携で設計から運営まで進行
オガールプラザは、「住民が毎日使いたくなる公共空間」を目指して設計されています。特に図書館は、カフェとの複合施設として全国でも先進的な事例でした。板橋区の中央図書館でもカフェが併設されておりますね。
 

多くの集客を集める地元直売所

 
② オガールベース(2015年完成)
•紫波町初の木造アリーナ(バレーの公式試合と同様の仕様)
•宿泊施設やトレーニングルーム併設
•アリーナにはすべて地元産の紫波材の木材を使用
オガールベースは、町の新たな観光・産業の起爆剤となる拠点にすることを目指し、年間約1万人の合宿・スポーツ大会利用があり、地元経済に波及効果を生んでいます。観客を動員する施設ではなく、アスリート育成の中心とした施設として運営をしています。観客席を作るとなると、余計に初期費用もかかり、維持費もかかってしまうとのことでした。

③ オガールスクエアとその周辺
•民間事業者が整備した住宅(若者向け)
•医療施設(紫波中央クリニック)
•私立保育園
•リノベーションされた小規模店舗群
ただの「開発」ではなく、「住む・働く・楽しむ」が日常的に交わる空間づくりが進められました。若者向けの住宅街は整然と綺麗に整備されておりました。

 

町が経営者としての覚悟が成功の大きな要因

オガールプロジェクトの最大の特徴は、町が経営感覚を持って動いた点と言えます。行政(町)は、遊休地を有償売却せず、無償貸与とすることで、土地という資産を手放さず、活用する方向にシフトしたことが挙げられます。
そして、行政(町)がリスクを取り、民間事業者がプレイヤーとして奮闘する仕組みがとてもうまく機能しています。公共施設の建設も、民間からの投資を募って賄う仕組みを採り、行政(町)は土地提供を、そして民間は企画・運営を行う関係性が築き上げられました。
そこに、行政(町)の存在が信用を担保し、民間がリスクを分担するという相互作用に働いていました。そして、民間事業者は、補助金に頼らず事業として成立するかを考え、事業計画書づくりを進め、自ら東京の民間企業を直接訪ねるなど、事業に必要と考える投資を呼び込む営業も積極的に行いました。
自治体職員が政策の担い手から経営の担い手へと意識が変化した象徴的な事例と言えるでしょう。

 

オガールプロジェクトの効果と評価

•毎年30万人の来訪者を達成する
•地元経済に年間5億円以上の経済波及効果(推計)をもたらす
•若者のUターン・移住者の増加を誘導する
•財政負担は抑制され、町の借金はむしろ減少傾向。テナント収入も確保

 

板橋区でも公民連携はできるか

私たちの街、板橋区においても、オガールプロジェクトから参考となる視点をいくつもいただきました。板橋区のような人口密度が高い住宅都市においても、街に何が必要なのかをとことん考え抜くことが大切です。
例えば、若者が住み続けたいと思う生活圏づくりには、どのようなニーズがあり、どのような公共施設・サービスの整備が必要となるのか。保育サービスの提供とともに、子どもへの医療も一緒に提供できるような機能の配置をどうすうか。こうしたテーマに対して、板橋区がビジョンを示し、民間の力を最大限に引き出すオガールプロジェクトのようなアプローチを模索してみてみたいと感じました。
オガールプロジェクトの根底には、この町を良くしたいという人々の熱意と、行政の覚悟がありました。私もまちづくりの未来の当事者として、地域の皆さんとともに、持続可能なまちの未来を描いていきたいと思っています。
 
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板橋区議会議員 田中やすのり
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板橋区議会議員田中やすのり_記事:【板橋区議会】地方創生の成功モデル「オガールプロジェクト」を企画総務委員会で視察20250729

 田中やすのりについて

About 
【田中やすのりプロフィール】赤塚二中、成増小、成増すみれ幼稚園を経て、早稲田大学商学部を卒業。大手広告会社勤務を経て、2007年に初当選し、連続4期当選を果たし……

【何故、区議会議員に?】広告会社の業務を通じて、世の中のためになる公共的な広告コミュニケーションへの欲求を抱くようになった。より直接的に世の中を変えることができる政治……

【板橋区の未来を語る!】板橋が抱える三つの緊急課題とは?急増している児童虐待、行方不明のままとなっている認知症高齢者、ゼロにはまだ遠い待機児童の3つが喫緊の課題……(2019.3執筆)

【板橋わくわくマップ2023を作成】赤塚や成増地域を中心に、これをしたい、あれをしたいといった政策を散りばめました。板橋を、そしてそれぞれの地域をわくわくするものにしていきたい……

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